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3連休 一日だけ 一日だけ 刺身 煮付け 食いたいべ〜 2007.12.224 辻川氏 | |||||
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いざ行かん>> 2007年12月22日。前日からの予報では低気圧の影響で夕方からは雨。 寒波の影響もあり雨又は雪ともある。風向きは時間ごとに変化するが、向きよりも風速が強まることがPE派の私には辛い。 前回日立は12月1日。当時の抱卵具合から今頃は浅場の北よりにも居るはずだ。 また前年同時期のノッコミのアイナメは旨かった。 今年4月後半、沖堤防北側から構内を浚渫する船が見えた。良好なカケアガリを築いているに違いない。 白灯台は連日集中する釣り人がすでに釣りきっているが、こちら赤灯台は釣り人も少なく、今まで大した釣果もないはずだ。 雨雪風に臆した私は多くの言い訳を準備し、また、前週子供へのプレゼントを値切り倒した末に手にした僅かな資金をイソメに変え赤灯台を目指すことにした。 釣り座は狭く出遅れることは許されない。なのに夕方に飛び込んだヘビーな業務がお気に入りエサ屋Jの閉店間際までずれ込む。末岡さん明日はよろしく。引継ぎにもならないメールを打ちつつJに電話をしてからアクセルを踏んだ。蛍の光が流れる中、ようやくイソメを手にし、帰途に着く。 出発まで仮眠しよう。天気が気になりテレビをつけると海の男 加山雄三の特集だ。特にファンでもないが、ついその映像と美声に見入ってしまった。もはや導火線には火が点った状態である。溢れ出すアドレナリンは仮眠を要しない。眠くなれば大好きな堤防で海に抱かれ寝るが良い。 すべての準備は整った。あせる気持ちを抑えエコ運転でたどり着いた駐車場。 なんとすでに釣り人の車が2台、、、やられた。加山雄三の節はベートーベンへと一転した。道具も持たず堤防を駆け上がる。防寒着もまとわず釣り座まで行くと数名がすでに竿を並べている。しかし私の狙いの座は空いていた。 >夜明け>> この時期にしては当然の風。予報に反し決して寒くはない。 午前1時半 車外温度センサー2度。十年来の友は15号のカレイ針に太いイソメを満載し鈍く光る鉛弾30号を目的地まで運んだ。 前回日立、アナゴの煮付けは思いの他子供に好評だった。まずは土産の確保作戦。 辺りが薄っすら明るくなる頃、友はシャンと伸ばした背で潔く作戦失敗を伝えた。 「よくやった。」ここまでの苦労を労うと、友は軽く武者震いし、手のひら程のセイゴを献上してくれた。 ちょっと前、鹿嶋のイシモチで作った蒲鉾は妻にも子供にも好評であった。このサイズのセイゴでも旨い筈だ。丁寧にクーラーに仕舞う頃完全たる夜明けを向かえた。 ここまで アタリ1 成果1。わかってはいたがあまりにも厳しい幕開けである。 >空腹>> 12月後半の日立。湾奥からは青物狙いの漁船とヒラメ船。合間にプレジャーボートが続々と出港する。朝マヅメに投げ返しすら出来ない戦況に指を咥える。空腹を覚えクリームタップリの甘い菓子パンをほおばる。暖かい茶を沸かす気力もそがれ、凍る寸前の缶コーヒーで燃料補給を試みた。 15分後。さきの作戦が失敗であったことを腹が告げた。全ての仕掛けを巻き上げ、しばしテトラの窪みに身を潜める。この窪み、背後の気配に決め台詞を準備するが偵察機の姿は確認できず一安心。背水の陣ならぬ下水の陣かと。 一通りの出港が済んだ頃、私の体も僅かに戦意を取り戻した。震える指先、おぼつかぬ足取りで鉛を打ち込んだ。 >敵機急襲>> 3本目を投げ4本目に弾を込めているとふと右舷後方からエンジン音が轟く。構内スローの掟は道糸手前までその存在を隠す潜水艦のように忍び寄っていた。 竿下に準備していた援護弾(道糸沈め)を投入するも間に合うはずもなく暴れ苦しむ友3本に小生作戦の甘さを痛感しながら生き行く友を強く抱きしめ看取ることしか出来なかった。 友は全う出来ぬ使命に取り乱すこともなく、驚くほど静かに穏やかに息を引き取った。忝い。私も友もお互いそう呟いていた。 >作戦会議>> 悪夢は悪夢として振り返えってはならない。私の主義である。散った花びらを弔うには餞のみだ。 まずは暖かい茶を入れ、総攻撃の準備をしつつ(PEを繋ぎつつ)、総攻撃の計画を練り直す。今日の潮周り、13時からの1時間が勝負である。満潮前後の潮変わりだ。予報ではこれを境に天候が悪化する。その次回はもうない。敗北か灰になるか かすかな不安が脳裏を掠めるが気付かない振りをした。 >決戦決行>> 風向き、風速、雲の動き、対峙する全ての自然現象に細心の注意を払う。ここぞのタイミングで4本全ての竿に新鮮なイソメ団子をセットし、今までのカウントダウンレーダーを頼りにカケアガリの淵をなぞるように少しずつ向きを変えて罠を仕掛けた。 今日、この瞬間、釣れるなら今しかない。沈黙からユラリユラリと動き出した潮に竿先が引かれる。ときおりカケアガリの小石に錘が弾かれる。これまでと異なる竿の揺れ具合から投入タイミングの妙に自身鳥肌が立つ。。 適度な潮のリズムで揺れる竿先を集中し見つめていると、ハッ!! 何時しか夢の中に居る自分に気が付いた。 >作戦変更>> 13時の勝負で早上がりを決め込んでいただけに、弾の消耗が激しい。Jで購入した500gのイソメは残り少ない。末岡さんが前回大津で残してくれたイソメはただならぬ香りを発しているが、今となっては貴重な戦力である。次の勝負は夕マヅメ16時半だ。団子から解けたロープ程度にイソメを減らし道糸沈めをセットして投げ返しを控え体力温存作戦に変更だ。 朝出港した漁船、釣り船が続々と寄港する。通り過ぎる幾多の釣り人とアイコンタクトで会話をしたが、皆苦戦したとのことだ。「君達の無念、私が背負って立つ。」何時しか心地よく眠りについていた。爆酸い。 >時合い>> 船の往来もなくなり、水温を少し上げてくれた日の光も注ぐ角度がかなり低くなってきた。にわかに餌取りのアタリが出始めた。餌取りに危険を知らせるよう時折竿を煽る。それでもかかるセイゴを急いで巻き上げる。今、正に時は満ちた。腹を空かしたカレイが暗闇に紛れてエサを探す時間だ。ここぞとばかりに温存したイソメを団子状に投げ還す。敵機急襲に備え援護弾も忘れない。 糸は竿からほぼ真下に垂れている。来た。来たようだ。来たに違いない。たぶんカレイだ。なんとも頼りないが竿が今までのエサ取りや潮のリズムと僅かに違うリズムで揺れた。揺れたようだ。たぶん揺れた。薄暗くなり始めた16時過ぎ。焼夷弾(ヘッドライトと竿先ライト)の準備をした。 >私>> 投げ釣りにおいて、ほとんど合わせを入れない。PEラインによるハリスの合わせ切れ、魚の口裂け、針が伸びてのバラシの経験からだ。鋭く研いだ針先を信じて、完全向こう合わせである。竿を立てる際もかなりソフトである。特にハリスがフロロの場合瞬間的に力がかからない様に気を使う。巻き始めてから魚の大きさを確認し一度だけ最小限に小さくジャブを出すかの如く煽る程度だ。これに一定のテンション巻きをすればまず事故はない。 >時は熟し>> 怪しい竿を三脚に持たれ掛けたままリールのハンドルを回す。錘が動き、針先にテンションが掛かったその時、竿が生体反応を伝えた。道糸沈めが魚の引き味を鈍らせるが、明らかに重く、それと確信するには充分な手ごたえは「我、奇襲成功せり」。艦隊の士気を一気に昂揚させる。 今回の爆撃ポイントは120mだ。奇襲成功は無事帰還あってこそ。束の間のスリルだ。この時間が長いほど楽しいので、私はいつも投げられるだけ遠くにポイントを探す。 道糸沈めがズレてL天秤にぶつかると魚の引きは先程よりしっかりと手元に伝わった。40くらいはありそうだ。やがて曳航された敵機魚体は期待通りのひし形だった。ライトで水面を照らすと40はあろうか。 抜くか迷ったが、子供の一言「じゃあ明日はお刺身だね」が脳裏をよぎる。子供を釣り好きに育てる為にも、いや父親の威厳を掛けて落とせない一枚だ。 >私2>> よこしまな考えだが、ここ日立において私は周囲に釣れたことを悟らせたくない。 一挙に目の前に斜め弾が飛び込み、投げ返す場所がなくなるからだ。
ここからは周囲に見えぬよう平静を保ちつつタモを構える。 タモを手に取ろうと体を屈めた瞬間、菱形的魚体は反撃にでた。 今までにない経験だ。 「常磐のカレイ浮いた後は潔し」 本日改めることとなる。 かつて無い力強い潜航。差し出したタモにも敵意の反転。駆動部(尾鰭)のキックがタモの柄越し "今日まで生きて来た"彼の自信を左わき腹に深く受け止めた。今度は包囲網の一所をつく横 走りだ。一端タモをまたに挟み体制を立て直し、ようやくタモに収めることができた。 タモの柄を丁寧に縮めながら背中では何事もなかったですと語りつくす。 慎重に引っ張りあげたタモの中には41cmの肉厚マコ。 卵もパンパンだ。心の中で静かにガッツポーズ。すかさず携帯で写真を撮り、妻に送信!跳ねるカレイにナイフを差し込む。きれいに血抜きできると嬉しさが再び込み上げてきた。携帯が鳴り、子供の歓喜の声が響くが、時間とともに食べ盛りの我が家にはちと小さいことが気になってきた。 >追撃>> ライトに照らされたエサ箱にはイソメが一掴み。奇襲成功に兜の緒を締め直す。電話を切り最後の投げ直しだ。すでに餌取りのアタリがあった2本と今釣り上げた1本を投げ返した。アタリのない竿はそのまま待ちのケチケチ作戦も継続だ。 残るイソメは針2本分だろうか。動かない切れたイソメも大事に見える。 程なくして、再び竿が揺れた。なかなかの引き応えだが、本命ではなさそうだ。上がったのはセイゴの一家。ここにして貴重なイソメを、、、、 イソメはいよいよ残り3匹と欠片のみ。別の竿にも餌取りのアタリが来たが得意の"煽って放置"。しかし、ここからは状況一転沈黙が続いた。エサをつつかれた1本を投げ直し終に弾は尽きた。 >省みる>> 多大なる犠牲と、矢も無く途中作戦変更を強いられたが、本日、全ては計算どおりだと、すごく勝手に本日を省みてみた。 >カップ麺>> 堤防上でしっかり冷却できたカレイを袋に入れ、丁寧にクーラーに仕舞った。代わりにクーラーに保管していたカップ麺と水が道具箱に入ることになった。 沈黙の時間もすでに1時間以上立つだろうか。空のエサ箱、足元に散らかった吸殻、切った仕掛けなど身辺整理を始めたが、道具箱のカップ麺がどうにも邪魔である。帰宅後に食べるならここで食べてしまおう。 道具を片付ける前に食べてしまうか、全て片付けて勝利の一杯にするか迷ったが、まだ19時だ。針にはエサも残っているだろう。 湯を沸かし、片付けをしながらカップ麺を準備していると、ふと竿先ライトの灯りが恋しくなり振り返った。 >そのとき?>> 本日一番湾奥に投げ、餌取りのあたりすら来ていない竿が深くゆっくりと海に向かって一礼した。 振り向きざまのことだったので確信はない。一礼したように見えただけかもしれない。その後竿は定位置で背筋をピンと伸ばし微動だしない。 しかし、感じの良い幻だな。得をした気分である。何をすべきか迷った挙句、湯気をあげるヤカンの湯を麺に注いだ。湯が残ったので、お気に入りの紅茶を取り出しカップに茶を入れた。 さて、麺が出来るまでの5分、椅子に腰掛け竿先ライト越しに冬の空を見上げた。あいにくの空模様だが、ところどころ星が出ている。あれは確かふたご座だな。オリオンは半身雲に隠れているが、冬の大三角もかすかに見える。こうして星空を眺めていると赤い大きな流れ星。そんな竿先ライトの動きにびっくりした年は何年前だったかな。。。21時に当日唯一のアタリでの一発逆転マコカレイを釣った日の記憶を思い出していた。 >やっぱり、>> さきの幻の一礼が気になる。いつものスタイルでリールのハンドルを回すとテンションのかかった竿先が頭を垂れて固まっている。根掛だ。 この釣り座では時々引っ掛かる昆布のような海草がある。これではカレイがエサを喰えんぞと竿を手にしてラインが切れぬようにジワっと煽ってみた。海底から根が抜け、根の間の砂がこぼれるような感覚に続き、根の切れた海草がワサッーと海底に横たわったかのような感覚が伝わった。 驚きはここからだった。横たわった海草は潮に流されるより明らかに早く竿を引っ張る。 えっマダコが壷から出てきたのか?ならば先ほどの一礼も納得だ。とにかく体制を立て直してリーリングに移る。ヌボーとした重たさと水流逆噴射のような反撃。マダコ特有の抵抗に良いお土産が出来たぞとニンマリ。 根に張り付かれまいとゴリ巻きするが、物体は時折何かに引っ掛かったかのごとく重くなりいっこうに浮いてこない。かなり巻き寄せてから これって50かも、と何年も前の記憶が脳裏をよぎった。このままでは堤防の基礎に掛かってしまう。本気モードでBXを弓なりに巻き上げた。堤防ぎりぎりまで来て垂直浮上で姿を見せた物体は水面に口を出し反転して大きな白い腹を見せた。 >ついに来た!>> 待望の座布団だ。乱暴に巻き上げていた自分に半場腰が抜ける。その引きをタコと勘違いして味わいおろそかに処理したことが無性に勿体無く思えた。 この座布団も水面で元気に暴れている。2度目のタモ入れとあって先程より慌ててはいないが、暗闇でタモの高さ位置が良くわからず何度も空振りをして冷や汗を汗をかく。 無事収まったタモを引き上げる重さは先ほどの一枚を遥に凌ぐ。周囲を見回したが既に私一人だ。喜びを全身に表すガッツポーズ。あわててメジャーを探すが見つからない。まずは写真撮影。 携帯カメラの光量とヘッドライトではどうやっても全身が写せない。全身撮影をあきらめて迫力感の記録に留めた。
座布団を愛でつつ伸びきったラーメーンは最高に旨かった。 余談、この後1本づつ竿をたたんだのですが、エサが豊富な竿はそのままもう一度投入を試みました。結局後には続かず20時最後の竿を納め、タモをたたみました。 午前2時から20時までの18時間の釣行ですが、前半14時間はチビセイゴのアタリ1回のみ。 以降アタリが無い中でもあきらめずに粘ったことで思いがけない拾い物ができました。 これからも粘れるだけ粘ることとします。 家族と妻の母含め5人でも食べきれないほどでした。子供が奪い合うように刺身を食べる姿を眺めるに、釣り人冥利に尽きるというものでしょう。準備楽しく、釣って嬉しく、食べてよし。思い返してなお嬉。釣りはやっぱり最高の楽しみです。
[釣果] マコガレイ:47cm、41cm 管理人より: 辻川さん、座布団ガレイおめでとうございます。 夕マヅメに41cmを釣ってもそのまま帰らず、夜に47cmを仕留めるところがしぶとい。 分厚いマコガレイです。この厚みは凄い。初めてみましたよ。こんな厚いカレイ。 一度は釣ってみたいものです。そのサイズ、厚みのカレイ。 |