静岡県松崎町仁科のハマフエフキ

 2007.09.01



2週間前の仁科亀甲岩。
この時は大型トビエイ2枚に終わるが
非常によい寄せの練習となった。
松本さんとのイワシミンチ作戦実行の日がやってきた。行き先は仁科亀甲岩。実は2週間前にも単独でイワシミンチ作戦を実行したが、その時は波に阻まれて敗退している。木曜の週間予報では、土曜が雨マークだったが、松本さんの晴れ男パワーにより、土曜朝の予報では晴れマークにかわる。よって天候は問題なし。しかし強めの北東が吹くようで、水温の急激な低下が心配だ。また、小笠原方面にある台風の影響により、多少のウネリがあるようだ。今年、私はすでに3度の仁科釣行を行っているが、いずれもウネリで道糸が叩かれるうえに、タモ入れ不可能で釣り辛かった。今回も釣り辛いのだろうか。

松本さんは日曜の帰りに親戚宅に寄るそうなので、現地集合とした。私は自宅を午前11時30分に出発。自宅付近のスーパーでイカを購入後、上州屋平塚店で頼んでいたイワシミンチ2kg入り6個(1個367円、要予約)を受け取る。ウツボがうるさいときの為に、ユムシも5個購入。今回はフエフキ狙いと決めていたので、チロリは無しのつもりだったが、朝マヅメのお土産狙いに青イソメ1パックは買った(私らしい?)。

上州屋で松本さんから入電。今から沼津の自宅を出発するようだ。「なんて早い出発なんだ」と思ったが、聞くと寝不足により、早めに現地に行って駐車場で寝るらしい。私が小田原にさしかかる頃、「八木沢がナライ(北東風)で白波あり」と入電。続いて、箱根で「仁科遊歩道より見た亀甲岩はベタ凪です。尾根の木々は少し揺れているようです」と入電。私が船原峠を過ぎると、木々の揺れが大きい。仁科は東風で釣りにならず、撤退したこともあり心配になった。土肥で車を止め、寝ている筈の松本さんに「亀の偵察希望」と発信する。すると「サンダルでも行けますか?」の問合せあり。「行けます」と返信すると、偵察に行ってくれた。ありがたい。

宇久須のコンビニで買い物をしていると、松本さんより「ハァハァハァ、ただ今、尾根にいます。ハァハァハァ、風はそよ風です。」と電話。西伊豆で東風の場合、磯の付け根はそよ風でも、先端は暴風の事もあるので、「磯の先端の偵察も頼みます」とお願いすると、快く引き受けてくれた。私が田子にしようかと悩みながら堂ヶ島にさしかかり、海を見るとベタ凪である。亀岩にサラシがない。風もないようだ。松本さんに悪いことしたな、と思いつつ、駐車場に車をとめ、空荷で歩いて磯道へ向かうと、息を弾ませながら汗びっしょりの松本さんが戻ってきた。御礼を言いつつ、現地の状況を聞くと、そよ風程度の東風だったそうだ。これで今晩の行き先は、予定通り仁科の亀甲岩に決定した。


遊歩道を磯へと急ぐ松本さん

本日の亀甲岩はベタ凪でフエフキ日和
午後5時10分、荷物を背負子に縛り付けて駐車場を出発。イワシミンチはお互い3個ずつ分担。いつもよりイワシミンチがある分、足にかかる負担が大きい。しかし、前回とは違い涼しいので殆ど汗をかかない。尾根で一度休憩し、釣り場へは5時40分に到着。風は松本さんの報告どおり。緩めの東風だが時々強めに吹くこともあり、遠投のマダイ狙いだと辛いだろう。しかし今日は近投でのフエフキ狙いである。多少の風は全く問題ない。

雲に覆われた空は少し赤みを帯びており、夕暮れが近い。急いで釣りの支度をする。本日のメインタックルは離島や沖磯でのハマフエフキ狙いそのものだ。3週間前に佐々木さんがPE2号でバラシ連続だったのを見て、「ここは生半可な仕掛けじゃ、大型は取れないな」と思ったからである。そのタックルは竿がRYOBI タマン磯スペシャル40号に、リールはいつものパワーエアロGT4000。道糸はレグロン14号、親子クレンサルカン1×2号にハリス18号20cmに太地ムツ19号の捨てオモリ式仕掛け。波打ち際から20m先の壁狙いは捨て糸8号40cmに六角オモリ25号、50m先の壁狙いには捨て糸70cmに六角オモリ40号とした。エサはイカ短メインにウツボ対策としてユムシを使用である。松本さんは仕掛けは似たようなものだったが、エサはイカの他に、タイムシ、岩イソメ、チロリ、ユムシなど大量に持ち込んでいた。どうやらマダイやコロダイも視野に入れているらしい。

尻手ロープの結び先として、100円ショップで買った巾着袋に小砂利を詰める。それに尻手を2本結び、竿に取り付ける。尻手ロープの長さは、魚によって竿が海側に引っぱられた時に、リールが三脚に当たらない長さに調整した。

釣りを始める前に、まずはコマセ撒きだ。岩に打ち寄せた波が海中へ潜るように払う場所にコマセを撒く。イワシミンチは凍っていると浮いてしまうので、冷凍ブロックの外側の溶けているイワシミンチをコマセクラッシャーでかき集め、それを柄杓に盛って投入する(これがだんだんと面倒になって、夜は素手で団子にして投入してましたが)。


金子の釣り座

松本さんの釣り座
薄暗くなった頃、タマン竿2本にイカをつけ、20m先と50m先に投入。潮は緩い左流れ。ウツボの猛攻を覚悟していたが、何も掛からない。イワシミンチを時々波打ち際に投入するが、状況は変わらない。投げる方角の違う松本さんも同様のようである。まるで死の海だ。まあいいかと、お土産用に持ってきた遠投磯竿に遠投羽浮きをつけ、サンマの切り身にて亀岩の上から沖側で太刀魚も狙うが、これも3流しにてアタリがないので、早々に見切りをつける。タマン竿は相変わらずウツボのアタリもないので、暇つぶしに背後の平らな岩のくぼ地で、持参した簡易テント(ツェルト)の設置作業を行う。

午後8時頃に満潮を迎える。この頃から竿先をコツコツと叩くエサ取り(恐らく御禁制甲殻類)が出てきて、イカが10分くらいで無くなるようになった。そのうちウツボやクロアナゴも掛かるようになってきた。外道といえど、魚の活性を図る貴重な存在である(処置が面倒ではあるが)。

午後9時、松本さんの釣り座側から、ギャーギャーと苦しげなドラグ音。見るとピトンに固定した竿が弓なりに曲がり、ケミホタルがピトンより低い位置で揺れている。しかし松本さんの姿無し。「おーい、松本さん!当たってよぉ!」と大声で叫ぶ。しかし、岩陰から松本さんが出てきたと思ったら、無常にも竿先がビョーン!と跳ね上がる。バレたようだ。仕掛けを回収した竿を地面に置くや否や、松本さんは崩れるように倒れてしまった。その気持ちはよく分かる。あのアタリで掛からなかったんだもの。私だって放心状態になるよ。きっと。
ちなみに後で聞いた話だが、バレた原因はイカが針先を覆い隠して為だったらしい。


仁科初魚種のメイチダイ36cmと松本さん
本命が回遊していることは分かった。これで更に気合が入る。
しかし、その後はウツボの猛攻が続く。潮は右にゆっくり流れては止まりを繰返している。23時、松本さんの竿にウツボとは違う、鋭く叩くようなアタリ。松本さんが巻き上げると、食っていたのはメイチダイ36cm。程よく肥えていて旨そうである。ちなみにこの仁科でメイチダイを釣ったのは、松本さんが第1号である。おめでとうございます。その松本さんも、疲れからかとても眠そうだ。そして0時、松本さんの気配が釣り座から消えた。

0時15分頃、波打ち際の近くの低い岩からイワシミンチを撒き、釣り座へと岩場を上がっていると、頭上からギャーギャーとドラグ音が聞こえてきた。ハッとして見上げると、目の前にそこにあるはずの無いケミホタルがあった。本命のアタリだ!慌てて磯を掛け上がる。近投の竿が三脚の上でシーソーだ。強く引けば道糸が出るように調整してあるスプールから、勢い良く道糸が出ているようだ。

竿尻を左手で掴み、右手でカラビナのフックを開いて、パンパンに張った尻手ロープを外す。その右手でドラグをきつく締め、三脚が壊れる前に瞬間的にリールの取り付け部分を掴んでアワセる。ドシーンとかなりの重量感。そのまま引き込まれる。締め込みもかなりのものだ。だが、竿や道糸、ハリス共に不安がないので、力任せに竿を起こす。20cm、30cmと少しずつではあるが、道糸は巻けた。引きからこれは本命と確信。「松本さーん、本命が来たっ!」と大声で叫ぶ。

しかし、10m位巻いたところで、根に張り付かれる。竿が折れるくらいに煽っても出てくる気配がない。この頃、松本さんもやってきて、横で見物中である。絶対に取りたいので、道糸をフリーにして待つ。30秒くらい経った頃、道糸がスルスルと出て行く。根から出た!ベイルを元に戻し、糸ふけを取ってから大きく竿を煽る。徐々に魚が寄ってくる。何度も強い締め込みがあるが、主導権はもうこちらが握っている。波打ち際付近まで降りて巻き取る。道糸の角度が垂直に近い状態になったとき、また軽く張り付かれたが、これは難なく引き剥がす。魚が水面に浮いた。ライトを当てると、ハマフエフキが見えた。嬉しくて「ハマフエフキだ!」と大声で叫んでしまった。


ハマフエフキ67cm(朝に撮影)
背後の波打ち際の先にある壁を狙った
海面から50cm程度のテラスへハマフエフキを抜こうとしたら、松本さんがタモ入れしてくれると言う。その言葉に甘えて、タモ入れをお願い。一発でタモ入れした松本さんが「でかいっすよー!」と言いながら、下から上がってきた。そのまま二人で釣り座まで運ぶ。

地面に横たわる暴れん坊も、力尽きたのか大人しいものだ。計ると69cm。半島で初めて釣ったハマフエフキが69cmもあってとても嬉しい。しかし、ハリス、道糸共にザラザラで毛のようなささくれ画が各所にあった。特にハリスに至っては、削れた部分が5号くらいの細さになっていた。松本さんがタモ入れしてくれなかったら、バラシていた可能性大! 松本さんに感謝である。 ハマフエフキは痛みが早いので、朝まで活かしておきたい。尻手ロープを結んでいた巾着袋にストリンガーをつけ、垂直な岩からフエフキを海中に下ろす。ハマフエフキはすぐに海中に潜っていった。


ストリンガーで活かしておく
新たな巾着袋に小砂利を詰め、尻手ロープを結ぶ。ハマフエフキを釣った仕掛けは、道糸を10mほど切り捨て、仕掛けは新たに作り直す。そして20m先に投入。しかし1時を回る頃からウツボも食わなくなり、2時に仮眠のため、簡易テントにもぐりこんだ。外は肌寒いのに、中はTシャツ1枚でもポカポカ。ぐっすり寝ることができた。

4時に携帯の目覚まし音で起床。既に松本さんは釣りを始めていたようで、テントの外で竿が風を切る音がする。靴を履いてテントの外に出ると、結構寒い。東の空はまだ暗く、秋になったことを感ずる。まずはイワシミンチを撒き、そして竿にイカをつけて投入する。潮は緩い右流れ。仕掛け投入後、竿先を小刻みに揺らすアタリが続いたあと、竿先が動かなくなったので、仕掛けを回収してみると、エサのイカがない。朝マヅメが近いので、またエサ取りが湧いてきたようだ。

まめに打ち返していると、ポツポツとウツボが掛かるようになってきた。その時、松本さんの釣り座から、悲鳴のようなドラグ音が聞こえてくる。振り向くと、またピトンの下でケミホタルが揺れている。今度は松本さんが竿を手にするまで魚は針に掛かっており、あわせた竿が折れんばかりに曲がっているのが見えた。私は夜も応援メールをくれた方に「松本さんが本命と格闘中」と打電し、松本さんの釣り座へと向かう。

松本さんは腰を落としで魚を必至に寄せていた。しかし、根に張り付いたようで寄せられなくなった。それを道糸を緩め、寄せにかかる松本さん。徐々に魚はよってきた。道糸をライトで照らすと、もう足元まできている。竿は折れそうで、背後に立つのが怖くらい。

すっと松本さんが立ち上がり、取り込み場所まで降りていく。私も玉網を持ってついている。松本さんがライトで海面を照らす。しかしそこに居たのは弩級アカエイ。松本さんは「引きが味わえただけでも嬉しい」と言っていたので、では、せっかくだからと松本さんに玉網を手渡し、セルフサービスの取り込み練習をしてもらう。しかし、松本さんの腕にもう力は残っておらず、網を正確な位置へ差し入れることができない。陸に引き上げるまでやって貰おうかと思っていたが、それでは後で「鬼!」と呼ばれそうなので、交代して私がタモ入れし、磯に引き上げた。

アカエイ放流後、松本さんは釣り座で座り込んだまま、動こうとしなかった。あのアカエイで全ての体力、筋力を使い果たしたらしい。タモ入れの練習をさせて悪いことしたかな。でも、単独釣行や、相棒が寝ている時に魚が掛かったら、自分で取り込むしかなんですよ、松本さん。そんな時のために。取り込みの体力は残しておいてくださいよ。

空がオレンジ色になり、いよいよ朝マヅメだ。ウツボも頻繁に掛かるようになり忙しい。松本さんもウツボで竿を曲げている。しかし外道の活性の高さとは裏腹に、本命からのアタリは無かった。


岩イソメの房掛け

その房掛けに食ったマダイ27cm
すっかり明るくなったので、松本さんから頂いたタイムシを投げ竿につけ、PE2号でマダイポイントへ遠投。アタリもなく、エサが取られる。松本さんはエサが余るからと、岩イソメを10匹くらい房掛けにして投入していた。その松本さんの竿にコンコンとアタリ。ウツボかもと言いながら松本さんが抜きあげたのは27cmのマダイ。口からだらりと2本の岩イソメをたらしていた。食いしん坊のマダイだ。私もそのマダイが羨ましく、松本さんの掛けたポイントへ投げさせてもらう。しかし時間が経つにつれ、エサが残りだし、7時頃には全くエサが取られない状態に。先週の雲見と同じである。なぜなんだろう?

エサが綺麗に残るようでは、本命の可能瀬も無し。暑くなる前に撤収しましょうと、7時30分、納竿とした。
今回は念願の半島ハマフエフキの大型が釣れ、私にとって記念すべき釣行となった。仁科から田子にかけてはハマフエフキが狙える未知のポイントがあると思う。そんなポイントの開拓もどんどんしていきたいと思う。


[釣果]
金子
 ハマフエフキ/B>:69cm 4.1kg
松本さん
 メイチダイ:36cm
 マダイ:27cm

[仕掛け]
竿:RYOBI タマン磯スペシャル
リール:shimano パワーエアロGT4000
道糸:ナイロン14号
オモリ:六角25号(捨てオモリ式))
ハリス:ナイロン18号20cm
  :太地ムツ19号
  :イカ短



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